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2009-04-20:初稿

殺人メロディーを聴く犬! その15

特捜最前線 195話 「殺人メロディーを聴く犬!」 その15

 
 いよいよ最終回です。

第76、元の場所  
桜井  「××町では実際に野良犬を殴り殺している。 泥酔するたびに犬がおれを殺しに来ると口走っている」
吉辺  「・・・・・・・・」
桜井  「あんたは水戸辺健の新曲を金を払わずに使った。 健はそれが無断でレコード化されていることを知って抗議に行った・・・・・・・あの雨の日だ。 今までの曲が全部自分のものだとバラすと云われ、カッとなって刺した・・・・・・・(バッと吉辺の腕をまくる)」
    吉辺の腕には無数の注射のあと。
桜井  「あるいはこいつのせいで、そこでも幻覚を見たのかも知れん。 犬の執念に追い詰められての幻覚だ」
吉辺  「こいつはビタミン剤の注射だよ。 君らデッチ上げで逮捕する気か」
桜井  「(呼ぶ)吉野!」
    鉄太郎(ホウタイ)を連れた吉野が入って来る。
    鉄太郎には吠える力はない。 だが憎悪をムキ出しにして吉辺に唸る。
吉辺  「(壁際まで飛び退るが)ハハ、これが証拠か。 イヌが唸るぐらいで証拠になるのか! やってみろ。 それで逮捕できる気ならやってみろ! ハハハハ!」    
    犬への恐怖を隠して狂ったように笑う。

第77、特命課 (夜)
    橘、桜井、船村、紅林、吉野が悔しそう。
紅林  「(兇器の手槍を握り)くそ・・・・・・・せめてこいつに指紋が残っていたらな!」
    橘、見ていたが、いきなりその手槍をひッたくる。
    睨むように手槍のナイフ部分を見る。
吉野  「どうかしたんですか?」
    橘、抽出しから紐とナイフと鉛筆を放り出す。
   「それでこういうのを作って見ろ」
    紅林、云われるままに、鉛筆の先にナイフをそえ、紐で縛りつけようとする。
   「待った!・・・・・・・そこだ」
    止めた紅林の手。 ナイフを握っている。
   「そのあとでこういう風に縛りつける(手槍の紐を巻いた部分を見せる)・・・・・・・あとで指紋を拭きとる(手槍を拭いて見せる)だが!」
船村  「紐の下には指紋が残っている!」
   「(ナイフで紐をタテに切りナイフと竿を)イチかバチかだ。 こいつを鑑識へ回して来い!」

第78、廃工場の前 (夜)
    あのときの路地に雨が降っている。
    車が停まり、叶が降り立つ。
叶のN 「あのとき・・・・・・・」
    イメージ。 逆光の中で犬を殴りつけていた影。 その棒状のものを放り出して逃げる犯人。
叶のN 「あのときの棒がどこかにある筈だ」
    捜す。
    その背后の闇にそッと忍び寄る何者か。 手にはナイフ。
    叶、気付かずに捜す。
    男、さらに忍び寄る。 叶は気付かない。
    足音は激しい雨にかき消されている。
    叶、やっと錆びた鉄パイプを見付ける。
   「これだ・・・・・・・!」
    男(吉辺)、ナイフを振りかぶり、振り降ろす!
    そのとき、叶の車の中から鉄太郎が凄い勢いで吠え乍ら飛び出す。
    ハッとなった叶、かろうじてナイフをかわす。 鉄太郎は吉辺に飛びかかる。
    ナイフを持った手に噛みついた。
    吉辺、悲鳴を上げて振り払おうとするが、鉄太郎は食らいついたままはなれない。
   「鉄太郎! もういい! あとはおれがやる!」
    タックル! 押し倒した吉辺の左手に手錠!
    橘、桜井、紅林、吉野が駆けつける。
吉辺  「(恐怖)とッてくれ! イヌをとッてくれェッ!」
    まだ左手に食らいついてままの鉄太郎。
吉辺  「やった! 二人を殺したのはオレだ、だからこいつを放してくれェ!」
    叶、ホッと鉄太郎を見る。
   「鉄太郎、もういい・・・・・・・よくやった」 
    鉄太郎、だが動かない。
   「鉄・・・・・・・」
吉野  「だめだ・・・・・・・死んでるぜ」
   「!・・・・・・・」

第79、同 (夜明け)
    雨の中、橘らが吉辺を連行して行く。
    鉄太郎の死骸を抱いた叶、ひとりきりで自分の車へ来る。
    そッと鉄太郎を後部シートへ寝かせる。
    叶、車に乗る。
    しめやかなあのギターソロが聞こえて ─── 叶の車が去って行く。

叶のN 「出逢いの日と同じような雨の朝、鉄太郎は私から去って行った・・・・・・・」

    − END −

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