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2009-03-12:初稿

殺人メロディーを聴く犬! その14

特捜最前線 195話 「殺人メロディーを聴く犬!」 その14


鉄太郎の亡き主人への忠誠心と、叶の根気強い捜査で、事件はいよいよ核心に迫っています。

第74、録音スタジオ・副調室  
    吉辺がミキサーやレコードディレクターを怒鳴りつけてレコーディング準備をしている。
    吉辺、もう一度怒鳴ろうとして、気付く。
    戸口に叶が立っている。
   「(女の写真をつきつける)歌手の松風みはる・・・・・・・ご存知ですね?」
吉辺  「むろんだ。 私は作曲家だからね」
   「そういう意味ではなくてです・・・・・・・(他の者に)すみませんがはずして貰えませんか」
    ミキサーら、出て行く。
   「×月×日、あなたは彼女のマンションに泊まった・・・・・・・そして翌朝、近くの空地で犬に吠えられた」   
吉辺  「・・・・・・・」
   「何なら彼女を呼びましょうか?」
吉辺  「その必要はない・・・・・・・覚えてないが、そんなこともあったかも知れん」
   「あの犬は、あなたが殺した水戸辺健の犬でした。 あの空地まであなたの臭いを追って来て見失っていた所だったんです」
吉辺  「はは、何を云いだすかと思ったら・・・・・・・犬に吠えられた位で犯人にされちゃかなわんな」
   「それから十日かかって犬はあなたの住まいの近辺まで近づいた・・・・・×月△日の夜、そこであなたを見付けた。 あなたは恐怖した。何十キロも離れた所まで追跡して来る犬の執念に怯え切った。 あなたはその犬を半殺しにした(シルエット・イメージで見せ)・・・・・通りがかりの酔っ払いではなく、あなただったんです」
吉辺  「知らんね。 全くの云いがかりだ」
   「犬は私が助けた。 あんたは気になってつけ回した。 そして何度も殺そうとして失敗し、ペットショップでは二度目の殺シまでやってしまう」 (ショップ店主殺人事件 → その6)
吉辺  「おかしいじゃないか。 犬を殺さんでペットショップのオヤジをか?」
   「お詳しいですね」
吉辺  「新聞で見た。 あの事件は誰でもしっている」
   「ペットショップの店主を殺したのは予定外のことだった。 顔を見られたから殺ったんだ。 有名人だからこその殺シだ。 売れッ子作曲家があんな所へ忍び込んだとなればそれだけでも大騒ぎになる。 だから犬を殺すつもりの手槍で店主を殺し、慌てて逃げ出した・・・・・・・」
吉辺  「・・・・・・(脂汗)君は自分で云っていることの矛盾に気付いていない。 私がその犯人だとして何故犬を殺す? 犬が私を密告するとでも云うのかね?」
   「(静かに)・・・・・・・・」
吉辺  「(無理に笑う)ハハハ、ハハハ・・・・・!」
    戸口から、ヌッと鉄太郎が侵入。
吉辺  「ギャッ!」
    異常な恐怖を浮かべて手近のテープロールを投げつける。
    だが、見直すとそれは犬ではなく、茶色の毛布を丸めたものだ。
吉辺  「!・・・・・・・」
    毛布を靴先で押していた桜井、ズイと入って来る。
桜井  「かなり幻覚症状が進んでるようだな」
吉辺  「!・・・・・・・」
桜井  「お前さんはこの二ヶ月ばかり、何度も今のような騒ぎを起している。(メモを出し)×月○日、××公会堂」

第75、イメージ
    聴衆の中に吉辺。 突然騒ぎ出す。
吉辺  「わ、犬だ! 誰が犬を入れた!」
    実は茶色のセーターの子供である。
桜井の声「3日后、××スタジオ」
    社員たちが廊下へ走り出す。 吉辺が半狂乱でモップを逆手に茶色のゴミ箱を殴りつけている。
吉辺  「殺せ! 手伝ってくれ! この犬は私を殺しに来たんだ!」
桜井の声「七日后にはパーティの席上で」
    ガシャンとガラスの割れる音。 出席者が振返ると椅子を振り上げた吉辺。
吉辺  「犬だ! その犬を掴まえてくれ!」

    −続く−

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