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2008-11-05:初稿

殺人メロディーを聴く犬! その10

特捜最前線 195話 「殺人メロディーを聴く犬!」 その10

 
第59、警察犬訓練所
    叶が警察犬訓練を見に来ている。
訓練士 「こいつを探させます
    自分の軍手を見せ、警察犬に嗅がせてからジグザグに歩き、10メートルばかり向うの草むらに穴を掘って埋める。
    この間、助手は隠す所を見せないように犬の目をふさいでいる。
    訓練士、戻って来て、犬に行けと命じる。
    犬は立ち上る。クンクンと地面の臭いを嗅ぐ。歩き出す。
    それは、訓練士がいま歩いた通りのジグザグの線。
   「(舌を巻いて)・・・・・・・」
    犬、草むらの陰に埋めた軍手を探し出し、くわえて持って来る。
訓練士 「犬の嗅覚が鋭敏であることは誰でも知っていますが、ことに酪酸や脂肪酸の臭いに関しては人間の百万倍以上鼻が効くとされています。人間の汗にはこれらが含まれている訳で、足の裏からたえば発散している僅かな汗が、靴下を通り、革靴の底を通して外へ滲み出す、その極く微量の地面に落ちた臭いを、犬の鼻は他の足跡から嗅ぎ取ってしまうのです」
   「その臭いの追跡が不可能になってしまうようなことはありますか」
訓練士 「水には弱いですね。行手に海や河があった場合、又は大量の雨で臭いが洗い流されてしまったような場合」
   「(はッと)雨・・・・・・・」  

第60、荒れ地
    叶が立っている。
叶のN 「犯行当夜は、激しい雨が降っていたと云う」
    イメージ。 雨の夜。シルエットで犬を連れた健が犯人に刺される。
    鉄太郎は激しく吠えかかるが、犯人は傘とナイフで逆襲。
    傷めつけられて逃げ去る鉄太郎 ───。
    叶、考える。
叶のN 「そのあとも雨は降り続けた。犯人の臭いは消えた。戻って来た鉄太郎はここで待つしかなかった」
    イメージ。同じ場所にうずくまって待つ鉄太郎。
叶のN 「だが一ヶ月後に鉄太郎は動き出している。臭いは消えた筈なのに・・・・・・・」

    イメージ。かすかな臭いを辿っていろいろの道を行く鉄太郎を重ねて ─── 叶、ハッとなる。
   「犯人が戻って来たんだ・・・・・・! 犯罪者特有の心理でホシは現場を見に来た。犬が居たので慌てて逃げた」
    イメージ。 夜。 吠えかかられ、犯人が慌てて車で逃走。鉄太郎、激しく吠えて追う。

第61、空 地
    はじめて鉄太郎と出逢った場所へ来る叶。
叶のN 「車の臭いを辿り、何日もかかってここまで来る。(そのイメージ)・・・・・・・そして、ここでも雨・・・・・・」
    イメージ。 あの雨の日、力なくへたり込んでいた鉄太郎。  
    あまりにもみじめなガラクタの隙間 ───。
   「・・・・・・・」

    −続く−

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