ホーム > 特捜最前線 > 特捜最前線U >
2008-09-22:初稿

殺人メロディーを聴く犬! その8

叶刑事は鉄太郎の元の飼主である水戸辺健(ルナ憲一)の消息を訪ね当て、いよいよ事件は核心に迫っていきます。

特捜最前線 195話 「殺人メロディーを聴く犬!」 その8

第52、古びた家・庭先
    鉄太郎を連れた叶が蒲団に身を起す老母イネの所へ来ている。  
イネ  「・・・・・・・(涙で頷き)たしかに、健が飼っていた犬です」  
叶   「犯人はまだ捕まっていないそうですが・・・・・」
イネ  「どうしてあんな目にあったのか。息子はあの雨の晩、犬を連れて出て行ったきり・・・・・何故あんな所まで行ったのかさえ分らない有様で」
叶   「息子さんは、ギターをおやりでしたか」  
    イネ、起き上がると大切そうに遺品のギターを出してくる。
イネ  「(そっと置く)よくこの庭で・・・・・・・」

第53、回 想 (庭)
    木箱に座りギターを爪弾く健と、その横にきちんと座って聞く鉄太郎の後姿。
イネの声「国立を出て、医者になって私の病気を治してくれるのが息子の夢でした。でも私の病院代がかさみますので、あの子は進学を諦めて・・・・・・・新宿で流しのようなことを」
    ギターを弾く淋し気な健の背――――。

第54、元の場所
イネ  「それでもあの子はグチ一つこぼさず、あんなことになる少し前でした。母さん、とッてもいい働き口が見付かったよ、少しは楽になるよって。その矢先に・・・・・・」
叶   「・・・・・・・・」
イネ  「(涙ぐみ)一体だれがあんなことを・・・・・・・・あの子のなにが憎くてあんなことを・・・・・」
    声をつまらせてギターを握りしめるイネ。
    鉄太郎がキューンと悲し気に鳴く。

第55、同 ・ 前
    叶が鉄太郎を車に乗せる。
    鉄太郎、キッと一方を見て低く唸る。
    叶、ハッとその方向を見る。
    鉄太郎、激しく吠えて飛び出して行く。
叶   「オイ! 鉄太郎ッ (追う)」
    鉄太郎は向うの角へ走り込む。とたん、誰かに飛び掛っているらしい吠声。
    現場の死体写真、水戸辺健−−−−−。 
    叶、走る。
    吠声急にやむ。
    叶、急る。
叶   「(角を曲って)!!・・・・・・」
    ナイフを刺されて倒れている鉄太郎。逃走して行く車。
叶   「鉄太郎ッ・・・・・・!」

第56、中島動物病院・手術室
    獣医中島が手太郎の手術・立ち会う叶。

第57、同 ・ 犬舎
    麻酔で眠る鉄太郎。点滴を受けている。
    叶が友人に対するようにじっと見寄る。
中島  「率直に申し上げて、全治する可能性は極めて低い・・・・・・あとは運と、この犬の気力です」
叶   「・・・・・・・・」

    −続く−

タイトル  
お名前  
email  
ご感想  
ご確認  上記内容で送信する(要チェック

 


ホーム > 特捜最前線 > 特捜最前線U > 殺人メロディーを聴く犬! その8