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2008-08-06:初稿

殺人メロディーを聴く犬! その3

特捜最前線 195話 「殺人メロディーを聴く犬!」 その3

 
10、特 命 課
    神代以外の全員が好奇の目で叶を取り巻いている。
    得意気に新品の首輪つきのあの犬を披露している叶。
叶   「いいですか?」
    ポケットからチーズを出し、犬にお座りを命じておいてから前へ置く。
    犬、喜しそうに叶を見上げたままオスワリの姿勢で食べずに待つ。
叶   「ヨシ!」
    犬は許可を得てはじめて立ち上がり、チーズに食らいつく。
幹子  「かわいい!」
船村  「頭の良い犬だ。たった一日の訓練でそこまでなれるとはな。」
叶   「いえ、教えた訳じゃないんですよ。」
吉野  「ああ?」
叶   「試しにやってみたら最初から出来たんです。どうも以前は飼い犬だったようですね、鉄太郎は。」
紅林  「鉄・・・エエ」
叶   「鉄太郎。こいつの名前です。」
    一同。思わず大笑い。
桜井  「おい鉄太郎、しかしお前どうするンだ? ご主人はペット厳禁の団地の住人だぞ。」
    鉄太郎、桜井へさかんに尾を振る。
橘   「カタイことは云わんでくれとさ。」
    一同、笑う。
    神代が入ってくる。
叶   「あ・・・・・(犬を抱き上げ、慌てる)」
神代  「お前の犬か?」
叶   「は、それがその・・・・・」
神代  「可愛いじゃないか。しかし団地じゃ飼えんのだろう。」
叶   「は。もちろん然るべき人に飼って貰うつもりです。

11、団 地 (夜)
    叶の車が来る。
    叶と鉄太郎、降りる。通行人が来る。
    叶、慌てて犬を繁みへ隠す。通行人去る。
叶   「(低く)いいか、呼ぶまで隠れてるんだぞ。」
    鉄太郎、頷く素振り。
    叶、あたりを見回しながら階段を上る。
    途中隣家の主婦と出逢い、挨拶。
    叶、自宅のドアを開ける。主婦は去る。
叶   「(誰も居ないことを確かめ、口笛で呼ぶ)」
    鉄太郎、パッと飛び出す。すばしこく階段を駆け上がり叶のもとへ。
    隣家のドアが開く。間一髪。鉄太郎と叶は自宅へ滑り込んでドアを閉める。

12、叶宅・リビング (夜)
    うまくいった。叶、思わず大笑いして犬とじゃれ合う。
叶   「ハハハ、鉄太郎。誰がお前を手離したりするもンか。なア、お前だってここがいいだろ。」
    鉄太郎、甘える。
叶   「ハハハハ・・・・・。」

13、団 地 (早朝)
    まだ人気のない早朝。ジョギングスタイルの叶と鉄太郎がそッと抜け出してくる。

14、公 園 (早朝)
    走ってくる叶と鉄太郎。
叶   「鉄太郎、この辺で一休みだ。」
    ジョギングの中年紳士が休んでいる。
紳士  「(思わず)やアいい犬ですねえ・・・・・。」
叶   「はは、駄犬ですよ。」
紳士  「いえ、いい犬ですよ。丁度息子がこんな犬を欲しがっていましてねえ。」
    叶、何となく居心地が悪くなる。
叶   「行くぞ、鉄太郎!(走る)」

15、団 地 (早朝)
    帰って来る叶と鉄太郎。
叶のN 「だが、鉄太郎との秘密の同棲生活は長くは続かなかった。」
    叶たちは、ゴミを捨てに来た隣家の主婦にバッタリ出会ってしまう。
    険しい表情で犬を睨みつけたままの主婦。
叶   「・・・・・・」

    −続く−


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