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2008-08-01:初稿

殺人メロディーを聴く犬! その1

 特捜最前線の中で挿入曲や効果音楽を作曲・演奏していたことは「特捜最前線 高橋正樹氏との出会い」で述べた通りでご存知の方も多いと思いますが、ここでは私が準主役で出演した作品を当時の思い出を含めながらご紹介します。
 私は母親の病気を治すため進学をあきらめて流しをするギター好きな青年、水戸辺 健の役で出演、作曲料の支払いのトラブルから殺されてしまいます。犯人を求めて奔走するのは・・・・・。 


  特捜最前線 195話 「殺人メロディーを聴く犬!」   その1

  プロデューサー  高橋 正樹 
  脚  本     長坂 秀佳
  監  督     野田 幸男

(写真・脚本家の長坂秀佳さんとルナ ケンゾー) 

 登場人物  
   神代 恭介   警視正  二谷 英明
   橘   剛   警 部  本郷功次郎
   船村 一平   警部補  大滝 秀治
   桜井 哲夫   警部補  藤岡  弘
   紅林 甚一   警部補  横光 勝彦
   吉野 竜次   巡査長  誠  直也
   叶  旬一   警部補  夏  夕介
   高杉 幹子   婦 警  関谷ますみ
   犬の鉄太郎   (柴犬)
   水戸辺 健   ルナ 憲一(ルナ・ケンゾー)
   その他   健の母親・イネ、 作曲家・吉辺丈二、 スナックのママ・杉子 他

1、裏通り (夜)
    寒々とした裏通りに雨が降っている。聞き込みの途中らしい叶が行く。
叶のN 「はじめて彼と出逢ったのは、ある冬時雨の夜であった。」
    叶、何かの声を聞いた気がして立ち止まる。耳をすます。ただ、雨・・・・・。空耳か?
    いや、たしかに動物の鼻を鳴らす声。
    叶、探す。その表情が、旧知の友人にでも出逢ったようにほころぶ。
    空地のガラクタの陰にうずくまっている野良犬。
    だが、見るからにヨレヨレの駄犬である。衰弱しきっていて起き上がる力もない。
    揃えた前肢に顎をのせたまま、上目遣いに叶をみ見上げている。
叶   「どうした・・・・腹がへって動けないのか」
    犬はさかんに叶の手をなめようとするのだが、いかにも弱々しく生気がない。
    そのとき、雨の向こうに吉野の車が止まる。
吉野  「叶! ホシの居所が分かった。乗れ!」
    叶、立ち上がる。犬が気になる。せめて防寒だけでもと自分のマフラーを犬にかけてやり、行く。
    吉野の車が動き出してからも、叶は犬のことが気になっている。

2、同じ空地
叶のN 「犯人逮捕に手間どり、すべてが解決したときは朝になってしまっていた」
    犬の餌を持った叶が来る。
    わーッと棒きれを持った子供らが駆け抜ける。
    叶、不吉な予感を感じて犬の居た場所を覗く。犬は居ない。泥にまみれたマフラーがあるだけ。
    叶、そっとマフラーを拾い上げる。
叶のN 「あの犬に、自力で生きて行く力が残っていただろうか。昨夜私には他にもしてやれることがあったのではなかろうか・・・・・。」

3、特命課 (夜)
    残務を終えた叶が帰る。
叶のN 「それから十日ばかりしたある日・・・・・。」

4、路地 (夜)
    木枯らし。叶が家路を急ぐ。
叶   「?・・・・・(立ち止まる)」
    彼方の廃工場の前。逆光の中。棒状のもので何かを殴りつけている人影。
    喧嘩か。叶、足を速める。走る。
    人影は棒状のものを放り出し、逃げる。
    叶、はッと見る。殴られていたのは、血まみれで動けなくなった犬。
叶のN 「あの犬だった。犬は二十キロも離れたこんなところまで来ていたのだ。」
    叶、駆け寄る。犬にはまだかすかに息がある。

    −続く−

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