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2013-04-26:初稿

ルナ・ケンゾーの ギター作り

 かつて、愛用していた名器「ヘルマン・ハウザー」を、手放す羽目になってしまった。
 音の響き、バランス、重厚な音・・・ギターが醸し出すすべての感触のどれをとっても素晴らしいギター「ヘルマン・ハウザー」。ギターの神様、アンドレス・セゴビアも愛用していた。弾き手によっては弾きこなすことが難しく、ギターが弾く人を選ぶ、と言える。

 ハウザーを手放してからは寂しくつらい日々だった。そこでハウザーの音色(おんしょく)に少しでも近づくことのできるギターを自らの手で作ろうと思い立つ。そこから私のギター作りが始まった。
 国立音大、東京音大、武蔵野音大、桐朋音大と、名だたる音大の図書室や楽器保管室を知人を頼りに訪ねては、ギター製作についての資料の収集に通い詰める日々が続いた。

 材料を手に入れるため新木場に通ってドイツ松、メープル、マホガ二、ハカランダ、黒檀、ローズウッド、ツゲなど木材を選び、作業に必要な大小さまざまな工具も、ひとつひとつ捜して買い揃える。

 バロック・ギターに施された美しい装飾に魅かれていた私は、表板に黒檀、ローズウッド、ドイツ松などを組み込んだ装飾を、糸巻きはペグを取り付けた。音色に厚みを出したいという思いから、ギターのボディは標準より5ミリほど厚く仕上げている。
 楽器作りの工房を持っているはずもなく、材料を切る、削る、曲げる、組み立てる、貼り付けるなど製作の作業は自宅の部屋や台所ですることとなり、部屋は足の踏み場もないほどの散らかりようであった。

 ギターは弦を張って音を出すまでは、どんな音が出るか分からない。気にいった音が出るまで作っては壊しを繰り返す。仕事の合間を縫ってのギター作りは時間を選ばず深夜から朝まで続くこともあったりと、死ぬほど面倒だったが、完成したギターを手にした時は死ぬほど幸せだった。
 完成の後、ディナーショーやイベント、ライブ等で活躍し、私の相棒として活躍してくれている、手作りの雰囲気たっぷりの荒削りながら愛すべき我がギターたちと、ギター作りに活躍したたくさんの工具、そして今も押し入れの奥で眠る木片たちは私の大きな財産であり苦闘の日々を今も語ってくれる。


<材 料>
  黒檀、メープル、ローズウッド、スプルース、ハカランダ、マホガニ
  ネック・・・・・黒檀  
  ネック裏・・・・マホガニ   
  表面・・・・・・ドイツ松
  裏面、側面・・・ハカランダ
  裏板・・・・・・メープル、ローズウッド、ハカランダを重ねる
  糸巻・・・・・・ローズウッド、メープル、黒檀の張合せ
  こま・・・・・・メープル  
  装飾・・・・・・黒檀、ローズウッド、ドイツ松


  参考:ルナ・ケンゾー 製作ギター   

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